弘法大師空海が残したといわれる数多くの足跡のうち、江戸時代に選抜された88の寺院が「四国八十八ヶ所霊場」と呼ばれ、現在最もよく知られるものとなっています。「四国遍路」イコール「四国八十八ヶ所霊場」とイメージする人が多く、ほぼ同義語として使われています。
88の寺院はそれぞれ成り立ちや仏教の宗派が異なる独立した存在ですが、1番から88番までナンバリングされていて、おおむね四国の海岸線に沿ってぐるりと1周するように点在しています。スタート地点や回る順番は自由ですが、1番から順に進むにつれて修行のステージも進むというストーリーになっています。
発心の道場‥‥思い立ち、行動を起こすステージ
修行の道場‥‥体を鍛え、精神性を高めるトレーニングするステージ
菩提の道場‥‥煩悩を断ち切り、極楽浄土へと向かうステージ
涅槃の道場‥‥煩悩にうち勝ち、超越した解脱の境地
四国八十八ケ所霊場会公式サイト https://88shikokuhenro.jp/
四国八十八ケ所霊場以外にも四国には霊場がたくさんあり、「番外霊場」と呼ばれています。それらのうち20の寺院が集まって、1968年に「四国別格二十霊場」が創設されました。四国八十八ケ所霊場と四国別格二十霊場を合わせると108寺院となり、人間の煩悩の数を表す108と同数であることから、「煩悩を滅する道」として巡礼の対象になっています。
巡礼する場合は、四国八十八ヶ所霊場巡りが終わってから改めて回ってもいいし、同時に経由しながら回ってもいいとされています。ただし四国別格二十霊場は、四国八十八ヶ所の遍路道から離れた場所も多いので、経由しながら回ると総距離が160kmほど長くなります。四国八十八ケ所霊場と同様、納経帳に納経印をいただいたり、別格二十霊場の寺院だけが頒布している「念珠玉」を集めることができます。
四国別格二十霊場会公式サイト http://www.bekkaku.com